2006年3月 本会議


日本共産党柏原市会議員団
橋本 満夫


 

 6番議員の橋本満夫でございます。私は、日本共産党柏原市議会議員団を代表して、議員提出議案第3号柏原市議会議員定数条例の一部改正について、反対の立場から討論を行います。

 まず、第1の反対の理由は、今回の条例提案の過程に問題があります。前回、22から20に議員定数が削減されたときは、平成13年3月議会でした。そのときは、議会改革検討会、さらには、議会改革特別委員会が設置され、8ヶ月にわたり委員会が開かれ、定数問題も含め、多くの課題が議論された後に、条例提案がされ多数決で可決されました。そのときの特別委員会で大切にされていたのは、少数意見やそれぞれの立場での意見を出し合い、時間をかけて議論しあうという、議会制民主主義を念頭に入れ、柏原市議会の中で進めてきたルールや慣習を守り、進められていました。しかし今回は、昨年11月から議会改革検討会が持たれ、各議員から出された45項目に対して、順次検討し、この間、会派及び会派に属さない議員の視察旅費の廃止や各種審議会等に委員として参画している議員について、委員報酬を原則として無報酬にする等を決定してきました。そうした議論をしているさなかに、今回、突然の条例提案です。本来、議員定数問題については、議員定数問題調査会や特別委員会を設置し、十分な議論をつくし、公聴会を開くなど、広く市民の声を聞くべきものですが、今回は、突然に削減の条例案が出されるという事態となりました。その条例提案の過程に大きな問題がある事を厳しく指摘するものであり、まことに遺憾であると言わざるをえません。

 2つめの反対理由としては、議会とは、議員とは、という制度としてのそもそも論からであります。我が国の地方自治体は、執行機関である首長と議事機関である議会という、ともに住民から直接選挙で選ばれた2つの機関で構成されています。首長と議会がそれぞれに独自の権限と役割を持ち、相互にチェック・アンド・バランスの関係を保ちつつ、全体として住民から選ばれた地方自治機関とての役割を果たすというのが、現在の我が国の地方自治制度の仕組みの特徴であります。

 今日の我が国の地方議会は、大きく言って3つの基本的な機能を持っていると思われます。1つは、それぞれの地域の住民の意思を代表する機能、2つ目は、自治立法権に基づく立法機能、3つ目は,執行機関に対する批判・監視機能を持つと言われています。本来、このような基本機能を生かした活動を議会が行っているかどうかが求められているのであります。執行機関である行政に対するなれ合いのない監視、批判が住民の立場に立ってきちんと行われているかどうかなど、議会が住民の代表機関としての役割をその機能にふさわしく果たしているかどうかが大切であるわけであります。

 議員一人一人においても、そのような役割を果たすように、市民から任務を与えられているわけであります。今、柏原市においても、市民が納めた税金にむだ遣いがないか、等しく住民のために使われているのか、どんな市政運営を行い、住民の安全、福祉、健康をどのようにして守り、発展させようとしているのか、住民の代表である議員と議会の果たす役割は、ますます重要であります。まさに住民の立場でチェックする重要な機関が議会であり、議員の役割があるわけであります。

 地方自治法は、人口規模に応じて議員の定数の上限を定めています。それは、それぞれの地域で住民の意思を正しく自治体に反映させるために、一定数の議員が必要だからです。平成12年4月1日施行の自治法の改正において、第91条で、市町村の議会の議員の定数は条例で定めるとし、人口5万以上10万未満の市は30名を超えない範囲内で定数を定めるとし、上限を定めているわけです。柏原市の法定定数は30名であります。平成13年3月には、22名から20名に削減されました。今回提案されている条例改定案は、柏原市の市議会議員の定数をさらに現行の20名から18名に削減しようとするものであります。議員の定数問題は、市民の市政への参政権にかかわる民主主義の根本問題であります。

 都道府県議会制度研究会の2005年3月の中間報告では、「議会は地域における政治の機関であり、行政体制の一部ではない。したがって、議員定数の問題は、単に行政の簡素合理化と同じ観点からのみ論じる問題ではない。議員定数は、議会の審議能力、住民意思の適正な反映を確保することを基本とすべきであり、議会の役割がますます重要となっている現状においては、単純な定数の一律削減論は、適当ではない。また、競って定数削減を行うことは、地域における少数意見を排除することになりかねない点にも留意すべきである」と述べられ、また、第2次地方町村活性化研究会の2005年の3月の報告でも、「議会活動の活性化により、その存在意義について、住民の理解を深め、これ以上の削減は食い止めるよう努力すべきである」と報告されています。さらに、柏原市の場合は、地形的にも大和川で、市域が分断され、3分の2が山間地であり、市民の方も生活され、過去には、ごみや土砂の不法投棄やダンプ公害など、これまでにも色々な問題をかかえてきたことなど、他市とは違う条件があり、ただ単に人口比率だけでは、論じることは出来ません。また、地方自治法でも「条例で定める」となっており、他市が多いから、少ないからということから判断するものではなく、柏原市が独自に自主的に決めるべきものです。議員定数を削減するということは、議会に住民の意思を反映しにくくし、議会の力と役割、チェック機能を低下させることになるということが、反対の第2の理由であります。

 次に3つめの反対する理由としては、そもそも議員定数問題は、財政論、行財政改革論にはなじまないということであります。そもそも本来の行政改革とは、税金のむだをなくし、住民サービスの向上と効率的、効果的な行政運営を進めることであります。議会に求められているのは、行政全体に目を向け、そこで税金がむだに使われていないか、税金の使われ方をしっかりと監視することこそが大事な役割であります。それにより、自治体全体で適切な節減が図られれば、議員定数削減の何倍、何十倍、あるいは何百倍というはるかに大きい効果があるわけであります。もちろん、議会関係の経費についても聖域ではなく、経費節減については、柏原市議会としてこれまでも努力してきました。このことについては一層努力するのは当然であります。財政論を言うのであれば、厳しい財政状況の中で、議員報酬などの見直しを先決するほうが、市民の皆さんの理解を得られるものと考えます。

 経費節約のために議員の数を減らすというのでは、お金の面からの議論であり、今、いかにして自治意識を向上させるかに知恵を絞っている段階で、議員を減らし、監視の目を少なくすることになり、その結果、議会の監視機能が落ちることになります。このことは、住民にマイナスになるということであり、議会制民主主義に逆行する結果になります。これが反対の第3の理由であります。

 最後に4つめの反対する理由として、今、市民が求めている地方自治への期待や意識に真にこたえる道は何なのかということからであります。確かに市民の中には、市議会は何をしているのかよくわからない、本来の機能を十分に果たしていないのではないか、それならこのような議員への報酬の支払いは税金のむだ遣いだ、もったいないというような市民感情が一部にあるのかもしれません。しかし、そういう市民の意識や声にこたえていくには、議会と議員に対して何が求められているのでしょうか。それは、議会と議員が住民の声をよく聞いて、市民本位の議会改革を一層進めていくことこそが市民の声にこたえる道ではないでしょうか。

 そのためにも、一層民主的な議会改革と議員の研修活動強化、政策能力向上の努力の方向が求められているのではないでしょうか。議員定数削減の方向ではなく、民主的議会改革と議員活動強化で、市民に信頼される議会づくりの方向にこそ、力を尽くすべきだと考えます。これが反対の4つ目の理由であります。

 以上の立場から、日本共産党柏原市議会議員団は、住民の暮らしと安全、福祉、健康、そして民主主義と地方自治を守る立場から、議員の意見を出し合う場もなく、市民の声を聞く公聴会の開催の機会も保障されなかったことに、いきどおりをきんじえません。住民の声を一層遠ざけることになる議員定数削減ではなく、むしろ憲法と地方自治の精神に沿った民主的な議会改革に努め、市民に信頼される議員としてさらに努力をし、引き続き、住民こそ主人公、市民の利益と民主主義のとりでとしての地方自治、地方議会の役割を擁護、拡充するために全力を挙げて奮闘するものであります。よって、議員提出議案第3号柏原市議会議員定数条例の一部改正についての反対討論といたします。

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